進学校)学習意欲が上がる教科学習・進路学習・特別活動
教科学習・進路学習・特別活動が「打ち消し合い」の関係になっている限り、学習意欲の向上には自ずから限界がある。既にその限界は露呈し、学習意欲を高めようと「好きなこと」や「息抜き」を強調し、逆効果が顕著に表れているのが今日的な状況であるといってもよい。
すなわち、学習意欲が向上する指導を実現するには、もはや小手先の改善ではなく、三者が「相乗効果」を発揮するようなコンセプト(指導基調)を模索した上で、全体を抜本的に再構築する必要がある。
ここで「相乗効果」とは、三者が重なり合うようにすることであるが、検討の結果、次のようにすれば良いことが見えてきた。
- 教科学習 … 社会貢献能力向上(どんな力をつければよいか?)
- 進路学習 … 社会貢献分野探究(どんな分野で貢献すればよいか?)
- 特別活動 … 集団的問題解決活動(どのように力を発揮するか?)
ここで、各者を重ね合わせるべき学習活動として用意すべきは、
- 教科学習×進路学習 … 実用性の高い学び
- 進路学習×特別活動 … 社会貢献活動
- 特別活動×教科学習 … 協同的な学び
である。こうすれば三者を重ね合わせることは十分に可能で、日々「社会貢献」というキーワードを生徒に提示しつつ、上記のような学習活動を提供すれば、毎日の学校生活を通して生徒に、
- 社会に貢献するため、協同的な活動を通して、実力(貢献能力)を高める。
という意識を養うことができる。
以上より、高校教育が「学力向上」や「人材育成」という社会的&時代的な要請に応えるにためは、もはや社会貢献コンセプトに基づいて教育活動全体を再構築する以外にはありえない、とさえ言いうるであろう。