進学校)学習意欲を下げる「現在観・将来観・公共観」
次の三点に注目すると、高校(進学校)において、よほど教師集団が留意して指導にあたらない限り、生徒に染みついてしまう意識について理解することができる。三点とは、将来観・公共観・現在観 であり、
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将来 自分ができること(将来観)
「自分のため楽しくほどほどに生きる」 -
世の役に立つこと(公共観)
「面倒なことは誰かがやってくれる」 -
いま学んでいること(現在観)
「訳が分からないことをやらされている」
という具合に、バラバラになっている。すなわち、
- 現在と将来が遊離 → 進歩感 希薄
- 将来と公共が遊離 → 貢献感 希薄
- 公共と現在が遊離 → 実用感 希薄
という構図になっている。これでは、学習意欲が低下するのは当然であろう。
自省すべきは、これが「多くの大人が共有する意識」であり、「教師の意識が無意識のうちに生徒に伝播している」可能性のある点だ。
したがって、(高校)教育のあり方を見直す際には「大人(教師)が子ども(高校生)に何をするか?」とともに「大人(教師)がどんな意識をもてばよいのか?」という視点が必要といえよう。