若人に「郷土のために稼ぐ」姿勢を育む重要性

 

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【従来の傾向】 

  • 進路指導のキーワードは「自己実現」。
  • キャリア教育は「自己実現」コンセプトのもとに構築され、ともすれば「自分のために稼げるよう企業等に就業する」将来像をゴールに設定しがちであった。
  • 同様に、生涯学習は「個人的・趣味的」なものとして位置づけられ、ボランティア活動とは多少の距離感があった。
  • さらに、「自己実現」を強調すればするほど、郷土の担い手を育む「ふるさと教育」が忘れ去られていくのは必定である。 
  • 以上のような「自己実現」をコンセプトとする教育を受けると、「自分のために」という意識は強く、「公共のために」という意識は希薄になるのは当然の成りゆきである。
  • 昨今、このような若者層の拡大に危機感を抱いて「立志教育」の重要性を説く人々は多いが、ともすれば「公のために時間・資金・能力を活かす」という部分のみが共有されている場合が多い。
  • すなわち「公のために稼ぎ出す」姿勢を育む部分については、概して認識が薄い。NPO活動等の存立が困難な一因は、ここにある。
  • 結局「公のために稼ぎ出す」ことを考えているのは、役所の地域振興担当課等、ごく一部の人々だけ。これでは「公共のために資するべき富」など集まる訳がない。 

  

 

【期待したい方向性】

  • 自己実現(自分のために稼ぎ、自分のために使う)を包括し、より公共性の高い部分まで含むコンセプトのもとに、教育活動を再編する。
  • それは、社会貢献(公のために稼ぎ、公のために使う)と自己実現のバランスがとれた立志教育。特に留意したいのは「公のために稼ぎ出す」意識の涵養。
  • ここで「公」とは、ふるさと教育からの連続性において「郷土」と言い換えることができる。すなわち「郷土のために稼ぎ出す」意識の涵養が重要であるといえる。
  • もちろん最終到達点は「郷土」ではなく、個々の資質や意欲等に応じて、その延長線上に「国」や「地球」が自然に位置づく。
  • 郷土のために稼ぐ具体策を構想するためには、郷土の特性をより深く理解する(=郷土の“メシの種”を知る)ことが必要なのは明らか。その観点から、ふるさと教育いっそう重要性を増す
  • 富の創出を重要視する関係上、企業の教育参画は大いに期待される。
  • キャリア教育は「就業目標的」なものから「産業創出的」なものへと変容させることが望まれる。となれば、公務員の教育参画も重要となる。
  • 従来「自分のために」という部分が強調される傾向のあった「自己実現」という概念は、今後「公共のために」という部分まで意識的に拡張し、バランスをもって語っていくことが期待される。
  • 同様に、従来「趣味的な活動」という部分が強調される傾向のあった「生涯学習」は、今後「地域課題解決的」な活動まで包括して語っていくことが期待される。