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PISA報道:数字の前に元気の回復を

 昨日来、FB界隈もPISAで盛り上がっていますが、さすがに「なぜ事の表面しか見えないのか!」と憤りを覚えざるをえません。

 事の本質は「最近ちょっと元気が出なくて」と伏せっている人に対して「ここの数字が出ていない!」「もっと数字を出さなきゃダメだ!」「どうすれば数字が出るか考えろ!」と言い放っているのと同じ。

 ぜひ一度、身近な中学生がどれほど息苦しそうな表情をしているか、登校風景を見てほしい。そうすれば、「これでは数字が出るはずなどない」と一発で分かるはずだし、数字を上げるために“評論家”が学校や生徒に何かを押しつけることが如何に愚かしいか分かるはず。

 必要な視点は「どうすれば子供は元気を取り戻せるのか?」また、子供が息苦しそうにしているのは、子供が見ている大人が息苦しそうだ‥実際に息苦しい‥ことを思えば「どうすれば自分たちが元気を取り戻せるのか?」。

 この問題。活路は「身近な○○くんが元気になるには皆がどのように関わっていけばよいか?」を、それぞれの現場で具体的に考えること。より小さいレベルで対話が必要だということです。

 その際に必要な認識は、今日の日本は教育的な面からみても、すでに焦土だ、ということ。例えば、旧来の価値観に基づく方向性‥例えば「都会の大規模校へ進学させよう」的なレール‥の先には、多くの子供にとっては、未来はありません。

 すなわち、いま絶対に必要なのは「大人が幻想から覚めること仮に、子供をとりまく大人に、そうした当事者意識がないのであれば、子供をそこから解放しなくてはならない。それが子供の未来を守ることにつながります。

 私が最近「都市部の大規模校指向からの脱却を」「過疎地の小規模校へ」と説いている根底には「どうすれば子供は元気になるのか?」という視点があります。そして、PISA と高校統廃合問題との関係性をはじめ、様々な問題の根っこはつながっています。

 本質的かつシンプルな解決策を志向する重要性に、一人でも多く、一日も早く、気づくことを願ってやみません。