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ワクチン格差が招来する挑戦格差 ~年内入試の受験機会均等は保障されるのか?

 

挑戦・成長・表現はワンセット。第5波の急激な拡大による影響は、甲子園でも出場辞退が象徴的ですが、当然それだけではありません。

 

夏休み中に予定されていた種々のプログラムが中止や延期になったことで、ウチの学生も影響を受けています。一人ひとりの心情を想像すると、やりきれなさが募ります。

 

そして 高3生に目を向けると、挑戦・成長・表現の重要な機会として大学入試を忘れる訳にはいきません。

 

いくら受験は「不要不急ではない」と言われても、精神的な平穏や安定が大切な受験生が日々「デルタ株は 10代も感染しやすい」「県境をまたぐ往来を厳に自粛するように」という報道に接したならば、あるいは、都市部に出かけて感染してしまった場合を想像したならば、地方の受験生は不安を抑えることはできず、都市部への受験自体を躊躇する場合も少なくないでしょう。

 

[参考] 「高校生は要注意」 夏休み明けの学校、これまでとは違うレベルの警戒を

(2021.8.18. BuzzFeed Japan Medical)

https://news.yahoo.co.jp/articles/e2ce5183569dbe705fa55fd009fec04d03f62491

 

そこで「安全・安心」を提供できるのがワクチン。もっとも、感染リスクがゼロになる訳ではありませんが、冬道を走るに際して夏タイヤから冬タイヤに履き替えるのに類した効果はあるところでしょう。

 

その際【希望する誰もが接種を受けられてこそ、受験機会の平等は保障される】というもの。では、現実はどうか。

 

今月に入って「○○市は受験生に優先接種することを決めた」というニュースが散見されるようになりました。ただ、それは未だ(ニュースになる程)少数派です。

 

では、この先に起こることは何でしょうか。

 

 

例えば、本学(大正大学)の場合には「10月23日・土曜日」に東京で面接等があります。この日を抗体ができた状態で迎えるには 2回目の接種を「10月9日」までに終える必要があります。そして、それには(モデルナの場合)1回目を「9月11日」までに終える必要があります。

 

なお、これはあくまでも「10月23日」が基準なので、それより受験日が早ければ、1回目のリミットも早まります。

 

他方、多くの高校では、8月下旬~9月上旬には、年内入試(10~11月)に向けた校内手続が始まります。

 

ということは、市町村が「概ね 8月中をメド」に「受験生の優先接種9月上中旬に始める通知を発出する必要があります。「受験機会均等を保障する」のであれば、全ての市町村が。

 

こう指摘すると「そんなに心配なら(遠方の)大規模接種会場へ行けば良いではないか!」という声も出るでしょう。しかしそれは、先の「英語の民間試験を受けに行ける者だけが(遠方の)会場へ行けば良いというのは、受験機会の不均等に該当する」という議論と矛盾します。

 

しかし、この社会は、どれほど若者に冷たいのか!

 

こんな仕打ちをしておいて、仮に「地元定着のため若者に郷土愛を」と躍起になっているとすれば、もはや「狂っている」としか言いようがありません。

 

それはさておき、言っていることは『建前』、やっていることが『本音』

 

若者が大切だというのなら、ぜひ、迅速な行動をお願いしたいと思います。