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地域と諸科目を「思考力・表現力」でつなぐ道

 今日(9月25日)は島根県立吉賀高校のオンライン職員研修会。テーマは「思考力・表現力を高めるための授業改善」です。

 

 毎度で恐縮ですが「原理なき方法論」は罪作りになることもあるので、はじめに「どのような社会変化を背景に、どのような方向性で高校教育改革が進展し、どのような形で学習指導要領に反映されているのか」を整理。

 

 その上で「総合的な探究の時間」と諸科目がどのようにつながっていて、どのような資質・能力を諸科目の授業を通して行けばよいのかを解説しました。

 

 さらにその上で、高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説「総合的な探究の時間編」に明記されている、各科目の授業で「思考力・表現力を高める」方策について言及。‥要するに「『指導要領の解説』を解説」した形です。

 

 また、授業研修で重要なのは「本質をふまえながらも授業に速攻で反映できる」こと。そこで今回は『考えるための技法』を教師間で共有するアプローチを提案。

 

 これまでは「各科目の授業で高めた思考力や表現力を地域での探究に活かす」と言っても教師間でさえ共有できませんでしたが、「諸科目の授業で『分類する力』『関連付ける力』『見通す力』『構造化する力』を高め、これを地域課題の発見や解決に活かす」と言えば、生徒・保護者・地域諸氏とも共有することも可能になります。

 

 何より「社会で課題の発見や解決を進めていくために、あらゆる科目、あらゆる授業を通して思考力や表現力を高める」教育活動がリアルになり、教師自身が「学校と地域の関係性」を実感でき、授業における指導もシャープになります。地域での探究に対して抱いている「ブラックボックス感」も解消されます。

 

 つまり、こうすることで「総探(地域での探究)と教科は無理なくつながる」のです。

 

 さらにいえば、入試対策に必要な思考も『考えるための技法』に分解できることから、その構図を模試の解答解説冊子等を用いて伝えれば、入試対策を通して地域課題を発見・解決する力も高まるのだと、説得力をもって指導できます。

 

 こうした認識を学校内外で共有し、組織的な指導を実現する高校が増えることを願ってやみません。

思考力・表現力を高めるための授業改善
吉賀高校で実施した上記テーマの職員研修会で映写したスライドを抜粋・修正したものです。
200925_urasaki.pdf
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